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2008年6月16日 (月)

si-17 Greg FitzPatrick - Det Persiska Äventyret

DetpersiskaGreg FitzPatrick - Det Persiska Äventyret (MNW MNW 80P '77)

前後のアルバムではGregory Allan FitzPatrickとクレジットしていた彼が、ここでは「Greg」と名乗っている。よりパーソナルな作品なのだろう。タイトルは英語だと「The Persian Adventure」、ジャケットのマンガは若者のグループが要人を誘拐するが、最後には警官に射殺されるお話のようだ。Coste Apetreaが参加している。Lasse Englandがアコギ&スライド担当で、CAはエレクトリック担当だ。

このアルバムについては、長文のライナーテキストの翻訳ができていないのだが、わかる範囲で…8曲中6曲が、MNW・Silenceレーベルを中心としたバンドのカバー。オリジナルは

A-1 Love Explosion
A-2 Hoola Bandoola Band、Fläsket BrinnerのBosse's Latを含む
A-3 Stenblomma
B-1 Gläns Över Sjö & Strand
B-2 Göran Persson
B-3 Robert Broberg

の楽曲だ。いずれも'70年から'73年にかけてリリースされ、社会的な主張を持ったメッセージソングとして、オリジナルのみならず広く歌われていた曲ばかりのようだ。A-4はGFの曲'Befria norden'だが、やはり同時期の社会派アンセム、NJA-Gruppenの'Befria södern'やPhilemon Arthur & the Dungを援用している。つまりラストの1曲を除き、すべてが過去の、人口に膾炙したポリティカル・ソングのミクスチュアなのだ。

ついでながら、A-2で引用されているFläsket Brinnerはインストバンドだが、そのベーシストのPer Brunnが我が家に泊まっていったことがあって、昔話をいろいろ聞けてメチャ楽しかったのだが、そんな中で何気なしに「FBはなぜシンガーを入れなかったのですか?」と訪ねてみた。陽気でニヤケっぱなしの彼が、その時だけは急に真顔になって答えてくれた。「FBは、あまりにも政治的過ぎたからだ」

B-4がGFによるタイトル曲なのだが、そこでジャケットのコミックを思い出してしまうのだ。社会の首根っこを摑みながらも、最後に射殺される若者たち。

スウェーデンで'70年代初頭に最盛期を迎えた、若者たちの社会運動とそれに連動した音楽活動。'77年の時点では、どうなっていたのだろうか。このアルバムはおそらく、そういったムーヴメントへのレクイエムだったのではないだろうかと思うのだ。日本では、森田童子がそうであったような…

原曲がそうなのだろう、ボブ・ディラン他のアメリカのシンガー・ソングライターを思わせる雰囲気の曲が多い。通してGFが朴訥に歌い、たまにシンセを被せるのだが、このシンセがどうも、場に合ってない気がする。彼は後に音楽プロデューサーになるが結局、音楽家でも社会運動家でもなく、コンピューターの業界で大成したそうだ。

CAの見せ場は少ないが、最後の曲で披露している泣きのギターは聴き応えがある。この曲は翌年の'Bildcirkus'でも短縮されて再演されている。

なお、レコードの両面とも、最後がエンドレスカッティングになっている。GFの想いは、「短かくも熱かったムーヴメントよ、永遠なれ!」だったのではないだろうか。

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